小規模企業や個人事業主向け “電子契約の基礎”

今回は、小規模企業や個人事業主向けに、年々需要が拡大している電子契約についてお届けします。

電子契約は、電子データを用いて結ばれる契約のことで、紙の契約書と異なり、電子ファイル形式で保存されます。
この仕組みは、ビジネスの効率化やコスト削減となるため、近年急速に普及しています。

電子契約は主に以下の手順で行われます:

  1. 電子契約サービスへの登録
    特定の電子契約サービスに登録し、アカウントを作成します。(初期費用や利用料が発生しますが、契約本数によっては無償の場合もあります。)
     
  2. 契約データの作成と送信
    契約内容を電子データとして作成し、電子署名を行ったうえでサービス内の通知やメールで相手に送信します。 
     
  3. 同意と署名
    相手が内容を確認し、同意すれば電子署名を行います。
     
  4. データの保存と管理
    契約締結後、データをサービス内やクラウド上で安全に保存します。

電子契約は、電子署名を利用して成立します。この電子署名には次の2種類があります:

  • 簡易な電子署名(立会人型)
    メールやクリック承認で行う簡便な方式。低リスクな契約に適します。
     
  • 厳格な電子署名(当事者型)
    公的証明書や暗号化技術を用いる高度な方式。重要な契約や法的拘束力が必要な場合に使用されます。

厳格な電子署名の特徴:

  • 電子証明書の利用:信頼できる認証局(CA)から発行される証明書を利用。
  • タイムスタンプ:契約締結時点を記録し、改ざん防止を図ります。
  • より安全な認証プロセス:多要素認証や暗号化技術を活用し、本人確認を強化。

但し、簡易な電子署名であっても、契約締結の事実や契約内容について、一定の証明力は認められ、裁判でも証拠として採用されています。

  • コスト削減:印刷・郵送費用を削減。
  • 印紙税不要:紙の契約書で必要な印紙税が不要。
  • 時間短縮:オンラインで即時契約可能。
  • 管理の効率化:契約データを一元管理できる。
  1. 電子署名が認められる契約かを確認しよう!
    一部契約は電子化が認められない場合があります(例:任意後見契約など)。
     
  2. 電子契約を行うことについて相手先の同意を得られるかを確認しよう!
    相手方が電子契約を受け入れる体制であることを確認。
     
  3. セキュリティ対策に問題がないかを確認しよう!
    契約情報が漏洩・改ざんされないよう、安全なサービスを選択する必要があります。

ビジネスをはじめたばかりの方にとって、契約締結は面倒で難しく感じることかもしれませんが、契約を疎かにして後にトラブルに繋がるよりは、まずは簡易な方法からでも契約を結ぶルーティンを作ることが大切です。

これまでの紙の契約書と比較すると、電子契約は時間やコストも削減され、手順もスムーズになりました。

電子契約サービスには様々な特徴があり、費用も様々です。各サービスごとに特徴がありますので、まずははじめの一歩として、ご自分のビジネスにあったサービスを探してみてはいかがでしょうか。