あなたの「約款」「表示」「広告」は大丈夫?
こんにちは。
田園都市線沿線・地域密着型法律事務所、たまプラーザBizCivic法律事務所の弁護士 木村俊樹です。
必要なものはパパッとネットで検索して、ポチッと購入!なんていうことは、今では日常茶飯事。
私たちの生活にもはやはネット取引が欠かせなくなっています。
経済産業省の資料によれば、ネット取引を支える、いわゆる「ネットビジネス」の市場規模の拡大傾向はますます顕著であることがわかります。
経済産業省「令和元年度 内外⼀体の経済成⻑戦略構築にかかる 国際経済調査事業報告書」から
ネットビジネスには、対面による従来型のビジネスとは異なる特徴があります。
すなわち、
- 売買取引をするにあたって品物を直接確認できない
- 取引相⼿と直接会うことができないため、相⼿の実態がわからず、信頼関係を築きにくい
- 店舗にとって購⼊者は不特定多数。個別の取引条件の要求に応じることが難しい
このようなネットビジネスの特徴から生じるトラブルを回避するために、ネットビジネスに関わる経営者、個人事業主などビジネスマンに知っていただきたいいわゆる3つの法律、「消費者契約法」「特定商取引法」「景品表示法」について、計6回にわたって解説をお届けします。
今回取り上げる法律は「消費者契約法」。
この法律は、事業者の義務、消費者の契約取消権、契約条項の無効、事業者の⾏為に対する差⽌などについて定めた「事業者との契約に関して消費者を保護するための基本事項を定めた法律」です。
- 消費者
=個⼈(事業主としての個⼈は除く) - 事業者
=会社及び個⼈事業主 - 消費者契約
=事業者と消費者との間の契約
消費者契約が何を定めているのかについては次回具体的にご説明しますが、まず、一般消費者向けにビジネスをしている皆さんにとっては、事業者として、必ず気をつけておかねばならないポイントがあります。
それは、次の2点。
① 消費者との契約の内容は明確で平易なものとすること ② 消費者にとって必要な情報を提供すること |
つまり、消費者と契約を締結する際には、あらかじめ、
- 契約の条件はどこに規定されているのか?
- どのような契約条件が規定されているか?
- 契約の中で消費者にとって不利益な条件はなにか?
がわかるようにしておく必要があります。
もちろん、金額の大きな取引などの場合を除き、個人との取引ではいちいち契約書を取り交わさない場合の方が多いですよね。
そのような場合でも、消費者に契約条件を理解してもらうため、ホームページなどに契約条件を記載した「約款」(通常「規約」などと称するもの)を掲載し、その内容に承諾してもらってから申込みを受け付けるという流れを、作らなくてはなりません。
この「約款」(規約)の内容については、インターネットで同業者が使用しているものを参考に作成することも有効ですが、最終的にはご自身の事業内容、商材、取引プロセスなどにマッチした最適なものにしておかないと客先から想定外の要求を受けたり、「消費者契約法違反ではないか」などのクレームの原因となりかねません。
もし、ご自身のビジネス、商材にマッチした「約款」(規約)を作りたいということであれば、弁護士などの専門家に相談されることをお勧めします。
もちろん、たまプラーザBizCivic法律事務所も、丁寧なヒアリングに基づいて、約款を作成するサービスや、現在お使いの約款をレビューし修正条項をご提案するなどのサービスをご提供していますので、お気軽にご相談ください。
次回は、具体的に、消費者契約法に基づいて事業者はどのような義務を負うのか、そして事業者として実際に直面するかもしれない消費者契約法に関するトラブル事例などを、お届けします!