不利な契約の可能性も?!無料テンプレートで契約書を作る際の注意点
こんにちは。
田園都市線沿線・地域密着型法律事務所、たまプラーザBizCivic法律事務所の弁護士 木村俊樹です。
日常のビジネスの中で客先などと取引する場合には、お互いにその取引の目的や条件について齟齬が起きないよう、契約を結ぶことがとても大切です。
したがって、契約の重要性については、認識されている方も多いと思います。
では、実際に契約書を作成するためにはどうすればよいでしょうか。
読者の皆さんの中には、インターネットに掲載されている、契約書の無料テンプレートを使用される方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな無料テンプレートを使用する際のメリットとデメリット、テンプレートから実際に契約書を作成する手順、及び専門家にレビューを依頼する際のポイントを見ていきます。

インターネットに掲載されているテンプレートは、契約書を作成する際の参考情報として活用するにはとても有効です。
テンプレートを使用するメリットは、
- 契約条件などをゼロから考える必要がないこと
- 専門家によるレビューや修正のベースとなるので、時間や費用が節約できること
です。
法律などの専門知識がない人が契約書をゼロから作成しようとすると、必要な項目が抜けてしまったりして、不完全なものになってしまいます。

そうなると、客先とのトラブルの際に役立たないばかりか、むしろトラブルの素にもなりかねません。
皆さんがまず、ネット上から拾えるテンプレートで契約書のたたき台を作成してみることで、皆さん自身が契約に必要な最低限のポイントを抑えることが、可能となります。
また、弁護士などの法律専門家に依頼する際も、ゼロから契約書の作成を依頼すれば、皆さんのビジネスにあった最適な契約書の作成は可能ですが、時間や費用が掛かってしまう場合もあります。
予め契約書のたたき台があれば、これらを節約することが可能です。
最終的には、専門家に見てもらった方がより有効な契約書を作ることができますが、まずは自分で叩き台を作ることで自分自身が契約内容をより理解する機会となりますし、最終的により良い契約書を手にすることができるのです。
他方でデメリットとして、テンプレートをきちんとレビューや修正をすることなくそのまま契約書として締結してしまうと、皆さんの立場から必要な条件が盛り込まれていなかったり、取引の具体的な内容にそぐわない契約書を締結してしまう危険があります。
必ず、専門家のレビューを受け、きちんと皆さんのビジネス上のリスクを低減した契約書にすることが必要です。

まずは、なるべく多くの契約書テンプレートを見て、書き方の形式を抑えましょう。
契約書の形式がわかったら、取引の種類に応じて最低限必要な契約条件を考えて盛り込んでいきます。
その後に、具体的な取引に関して抑えるべきリスクと獲得すべき利益があればそれを規定する文言を追加します。
また、取引先との交渉に当たっては、あらかじめ、最低限盛り込みたい条件と譲歩できる条件を明確にしたうえで、交渉に臨むようにしましょう。

無料のテンプレートを使い自分で叩き台を作ることで、専門家への依頼がよりスムーズになりますし、コストや時間を節約することもできます。
また、自分でも契約内容をよく理解できるようになりますよ。
そして、繰り返しになりますが、意図せず不利益な契約を締結してしまわないように、最終的には弁護士等の専門家に依頼することをお勧めします。
たまプラーザBizCivic法律事務所では、規約・契約書を作成するお手伝いをしています。契約書、規約などでお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。
また、ご自分で契約書を作ったり、事業内容に合った契約書のテンプレートを選ぶ際の参考に、セミナーの受講もおすすめですので、ぜひご参加ください。