初めてアルバイトを雇うときの注意点を、法律事務所に聞いてみた!
前回は、売掛金の支払いトラブルについてお届けいたしました。
今回は、初めて雇用主になる時の注意点をお届けします。
美香さんはHP制作事業を行っています。
最近依頼が多く、新しくアルバイトを雇おうと考えています。
しかし、どのようなことに気をつけて募集をかけたり契約を結んだりしたら良いのかわかりませんでした。
そこで初めて、法律事務所の先生にお話を聞きに行くことにしました。
先生、HP制作を手伝ってくれるアルバイトさんを雇おうと思っているのですが、募集するときにどんなことに気をつけたらいいのかわからなくて。
初めてアルバイトを雇う場合、労働条件について理解することが大切ですよ。
雇用者は応募者に対して、仕事に関する重要な情報を正確に伝える責任があります。
これによって、応募者は自分の意思で応募を決められるようになり、雇用契約が円滑に進むからです。
例えば、給与は時給制なのか月給なのか、勤務時間は週何時間なのか、休暇にはどんな制度があるのかなど、これらの条件は明確に示すべきですね。
これらの条件が分からないと、応募者も戸惑いますね。
一番困るのは、アルバイトをお願いした後にトラブルになってしまうことですからね。
特に、採用時には、使用者は労働条件を労働者に書面で通知することが法律上義務付けられています。
きちんと働く条件を伝えるのはとても重要なことなんです。
また、アルバイトを雇用する際にも労働基準法を守る必要があります。
例えば、シフト制の場合は希望を聞く、給与は決められた日に全額払うなどです。
更に、継続勤務によって有給取得も可能です。
一定の期間、労働日の一定割合以上を継続して働くと有給休暇の付与義務が使用者に発生します。
なお、就業中の事故があった場合、労災保険を使うこともできるんです。
この辺りも募集時にきちんと考えておかないといけませんね。
身近にアルバイトをしてくれそうな人がいなくて、公募することを考えているんです。
例えば、タウンワークなどで募集を行いたい場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか?
まず、きちんと募集条件について仲介業者に伝え、その条件にあった人を紹介してもらうようにする必要があります。
また、返戻金制度についても留意しておくべきでしょう。
返戻金は、紹介事業者が紹介して入社した人が一定期間内に一身上の都合等で退職した場合に、紹介手数料の一部を返金する制度です。
しかし、これは企業側に責任がある場合、例えば、ハラスメント等に起因して退職した場合などには適用されないので、注意が必要です。
そして、職業紹介事業者には、企業側の機密情報や応募者の個人情報が提供されますので、紹介事業者と契約する際には、その個人情報の厳格な管理と適切な取り扱いの対応について契約書の規定を詳しく確認することが大切です。
なるほど!紹介事業者を利用する際には、募集条件や、返戻金、個人情報の扱い方に注意して契約書をよく読むことが大切なんですね。
初めてアルバイトを雇う時には、雇用契約書や就業規則、そして労働保険や社会保険の整備が必要です。
雇用契約書を自分で結んだことがないのですが、どんな内容が必要なんですか?
雇用契約書は美香さんとアルバイトの双方にとって極めて重要です。
テンプレートを使用することもありますが、美香さんの事業、ビジネス、雇用条件に即した法的なポイントを押さえるためには専門家に相談することが一番です。
不十分な契約内容は将来のトラブルの原因となりかねませんからね。
なるほど、しっかり整備しておかないといけないんですね。
そうです。これらは法的な観点からも非常に重要な文書になります。
そして、従業員が適切に労働保険や社会保険に加入できるように整備することも欠かせません。
労働保険や社会保険の整備って、どんな点に気をつければいいんですか?
雇用者は一定の要件を満たした従業員を労働保険に加入させる義務があります。
また、社会保険にも適切に加入させることが必要です。
これによって、アルバイトが働くことに関するリスクに備えることができます。
なるほど、入社時にこれらを整備しておかないと、後々大変なことになりそうですね。
そうです。法令を守り、雇用関係を健全に維持するためには、採用前の規則や契約書面、処遇などの整備が欠かせません。
たまプラーザBizCivic法律事務所では、今回のようなご相談や契約書、就業規則などの作り方のお手伝いをしています。
わからないことがある場合などは、お気軽にご相談ください。